遠い未来に(1主人公×ビッキー) 著者:6_970様

城の大広間で、鏡に魔力がこもったのを感じた。
ああ、リーダーさんに渡した手鏡が発動したんだ。
急いで帰還魔法を唱えなきゃ!えーと…あれ。呪文を忘れちゃった。ま、いっか。
あれ、そう言えばこの鏡っていつからここにあったんだろう?
私、持ってきてないのに。あ、今はそんなこと考えてる時じゃないっけ。
「えいっ!」
私の方も鏡に魔力をこめる。パァッて鏡が輝いて、リーダーさんと仲間達が鏡から現れた。
「ただいまビッキー。」
「おかえりなさーい。あれぇ…?その人は。」
頼もしいリーダーさんと仲間達。行くあてもない悲しい身の上の私をこのお城に
かくまってくれる優しい人。今日も新しい仲間さんを見つけてきたみたい。
でも、今日の人は何だか違っていた。赤い服、緑のバンダナ…あっ、この人は!
「ああ、新しい仲間だよ。といっても本拠地にいてくれるわけじゃなくて、
助っ人として参加してくれるだけなんだけど、強力な紋章を」
リーダーさんが説明してくれてるんだけど、そんなの関係ないみたいにその人が
こっちに歩いてきて、いきなり私をぎゅっと抱きしめる。細く見えるんだけど、
力はとっても強くて、でも気持ちよくて温かい。この感覚も久しぶり。
「久しぶりだな、ビッキー。いや、もしかしたら君にとっては昨日のことかもしれないが。」
「昨日?ううん、昨日じゃないよ!私、ティルさんとずっと会えなくて寂しかったんだから。」
久しぶりに会った私の恋人は、何だかすごくひどいことを言うから、ちょっと腹がたった。
この前の戦いもこの前の戦いも、きっとティルさんが来てくれると思って
ずっと待ってたのに、ティルさんは来てくれなかった。
左手で私の腰をかかえたまま、右手で私の髪をなでるみたいにすいていく。
私のご機嫌をとる時の動き。そんなんじゃ誤魔化されないんだから!

「そうか。すまんな、寂しい思いをさせて。
僕とどれぐらい会えなかったか、思い出せるか?」
「えーとぉ、えーと…ティルさんと最後にあったのがハルモニアで、
無名諸国で2年と、ゼアラントで1年ぐらいいたから…3年も会えなかったんだ!!」
「そうか、君は『その時』のビッキーか。僕も寂しかった。
しばらく北方大陸では戦いが起きなかったから、43年も君を捜し歩いたよ。
手っ取り早くソウルイーターで戦乱を起こそうかと思ってしまったくらいだ。」
「43年?じゃあもうティルさんおじいさんになっちゃったんじゃないの?やだぁ。」
おじいさんと恋人だなんて嫌だな。でも、そんなに長く私を探してくれてたんだと思うと、
嬉しかった。この前会いにきてくれなかったことは、許してあげようかな?
「ふふふ、テッドの年齢は超えてしまった。だが、まだ肉体は10代だぞ?」
そう言うと、ティルさんの顔が近づいて、私の唇をペロって舐めた。
いきなりだからちょっと驚いてたら、今度はそのままキスされちゃった。
軽いキスだったけど、ちょっと恥ずかしいな。リーダーさんに見られてる。
リーダーさん、何だか金魚みたいに口をパクパクさせてた。
私がリーダーさんのことを見ているのに気づいたのか、ティルさんも振り返る。
「軍主殿、どうやら私の目的は果たせそうだ。君の目的が果たされるまで、
このティル・マクドール、力を尽くすことを誓おう。」
「は、はぁ。」
「それじゃビッキー、また後で。」
見られてることとか全然気にしてなかったみたい。
私からもあっさり離れて、ひらひらと片手を振ってる。

「ええっ!?せっかく会えたのにすぐどこか行っちゃうの?やだよー。」
3年も待ったんだもん。色々話したくなることもあるよね?
「何、ちょっとこの城の施設を紹介してもらうだけさ。終わったらすぐ君のところに行く。
じゃあ軍主殿、案内してもらえるかな?」
「あ、はい。この城は結構複雑ですから。ご案内しますよ。」
「えー、私でも案内できるよ?もうこのお城のことなんか知り尽くしちゃってるんだから!」
「いや、こういうことに関してだけはちょっと君のことは信用できないからな。」
「ええーー!?」
ひどい!私、テレポートでは失敗しちゃうこともあるけど、自分が住んでるところで
迷ったりなんかしないんだから!階段を下りたら鍛冶屋さんで、その隣に音師さんがいて、
その先には…あれ?誰がいたっけ?
思い出すためにちょっと考えてたら、その間にティルさんとリーダーさんは
歩いて先の方まで行ってしまっていた。ひどいなぁ。
「ところで軍主殿、当然もう風呂担当の宿星は仲間にしているな?」
「え?ああ、はい、しばらく前にお風呂作ってもらいましたけど。」
「そうか、上出来だ。ちなみに、この規模なら混浴が…。」
「え?はぁ…それは……でも規約では…」
「堅いこと言うな…真の…」
「えぇっ!…わ、わかり……貸切は…一時間!?…無理!…」
途中から聞こえなくなっちゃったけど、なんだか、ティルさんがすごくうきうきしてた。楽しそう。
私も、ちょっと楽しい気分になった。
時々会える人もいるし、ジーンさんとはいつも会えるけど、
やっぱりティルさんと会えると特別嬉しいから。

一日の終わりはやっぱりお風呂が一番だと思う。
今日も、リーダーさんはティルさんを連れてきた後も交易で色々回って、
私も魔法をいっぱい使って疲れちゃった。ゆっくりつかろうっと。
お風呂に着くと、番台のお風呂屋さん(名前はド忘れしちゃった)が、
なんだか悲しい顔して話しかけてきた。
「あ、ビ、ビッキーちゃん。今日は女湯は開いてないんだ、こらえとくれ。」
「ええー!?そんなぁ…。」
やだなぁ…せっかくティルさんだって来てくれたのに、お風呂に入れないなんて。
「あ、だ、だけどね。混浴の方は開いてるから。そっちに入ってくれるかい?」
「なーんだ。入れるんだ。良かったぁ。でも、混浴ってちょっと恥ずかしいな。」
「だ、大丈夫大丈夫。誰も入っちゃいないからさ…誰も。ささ、入っといでよ。」
なんだかよく分からないけど、お風呂に入れることは嬉しい。
お風呂屋さんはなんだかいっぱい汗をかいてたけど、お風呂上りなのかな?
脱衣所でローブを脱いで、ドアを開けたら、湯気でもわもわして黒い空しか見えない。
寒いから、お湯をさっと体にかけて、すぐに湯船に入ることにした。
「んーあったかい。」
「ああ、それに柔らかい。」
「うひゃぁっ!?」
いきなり後ろから声が聞こえて、しかもいつの間にか体を触られてて、
私はびっくりして叫んじゃった。湯船に声が響く。そのまま逃げようとするけど、
後ろから伸びてきた手は逃がしてくれなかった。
「あはは。ごめんごめん、びっくりさせて。」
「〜〜!!ティルさん〜!ひどいよー!!」
聞こえてきた笑い声は、恋人の声だったからちょっと安心はした。
だけど、伸びてきた手は私の体を触り続けてる。胸も。
「君のことを待っていた。」
「待っててくれたのは嬉しいけど…お風呂にはゆっくり入りたいよ?
それに、誰か来ちゃったら恥ずかしいよ!!」
「大丈夫、人払いはしてある。それに、僕の方はゆっくりできないほど君に飢えてる。」
なんだかすごく恥ずかしいことを言われた気がしたんだけど、
そのことを考える前に、耳たぶをかぷっと甘く噛まれた。

「ひゃっ…ティ、ティルさん…。」
「君の声も姿も体も瞳も、ずっとずっと探し続けた。」
腕にかかる力が強くなって、私の体は湯船の中でティルさんの体にもたれかかるみたいに
ぴったりくっつけられる。ティルさんの意外と熱い胸板が背中に当たる。
それと、その…何度も感じたことのある、固いものがちょうど私のお尻に当たってる…。
「戦いが起こったと思ったら108星の集まるものではなくて、腹いせにソウルイーターで
全部飲んでやったことだってある。だけど、そんなものでは満たされない。」
ティルさんの手が、私の乳首を弄ぶ。くちゅくちゅ優しくつまんで、
その度に、恥ずかしいとかそういうのがどうでも良くなる気持ちよさが体に伝わってくる。
股の間が、段々熱くなってくるのを感じる。お湯の熱さのせいだけじゃない。
「はぁん…ティルさん…気持ちいいよ…。」
「もう僕には何も残ってない。君以外。知り合いはみんな死ぬかさっさと紋章を
誰かに渡して逝ってしまう。僕は誰にも渡せないというのに。」
熱い、誰かに触って欲しいと思っていたところを避けるように、その周りだけを
ティルさんの手が触っていく。ふとももを触られるだけでは物足りない。
おかしくなってきちゃいそう。
「ティルさぁん…ねぇ…触って?」
振り返る。声だけでティルさんだとわかってたけど、目の前にあるのはやっぱり
ティルさんの顔だった。会ったときから変わってない顔。綺麗な金の目。
「…君はやっぱり反則だな。何度会っても、君のよがる顔を見ると無茶苦茶に
犯してやりたくなる。初めてあったのは、もう300年も前なのにな。」
ふとももを触っていた手が、一番気持ちいいところを直接触ってくる。

「ひゃぁぁぁ!」
電気みたいなのが体を走って、何もかもがどうでも良くなってきちゃう。
もっと触られたい。無茶苦茶に犯されるなら、犯されてみたい。
「もっと啼いてくれ。何十年と聞いてなかった分、頭に焼き付けたい。」
首筋にキスを落とされて、跡が残っちゃうくらいに強く吸われる。
一番気持ちいいところをつまんでいた手がちょっと止まって、
ゆっくりと、ティルさんの指が私の中に入ってきた。
「あ、あ…入ってきてる…はぁ、ああん!」
指は一本だけで、そんなに苦しくはなかったけど、一緒にお湯が入ってきちゃう。
気持ちいいのと熱いのが私の中で混ざる。そこだけじゃなくて、キスをされるところも、
優しく揉まれている胸も、体中が熱くて気持ちいい。
そのまま気持ちいいところの向こうの遠いところに飛んでいけそうな気もしたけど、
なんだかちょっと熱すぎる。お湯に溶けていっちゃいそうな気がした。
「ティルさん、私ちょっと、変になってきちゃった…。」
不安なことをティルさんに伝えたら、ティルさんは私のおでこにキスを落として、
手の動きを止めちゃった。やめちゃうのかな?やめて欲しいんじゃないのに。
「変になられるのは嬉しいんだが、ちょっとのぼせてきちゃったみたいだな。
仕方ない。続きは部屋ですることにしようか。我が生と死を司る紋章よ…。」
私がいつも使う緑色のワープの光とはちょっと色が違う、なんだか黒っぽい光に
包まれて、私はどこかへ運ばれていくのがわかった。でも、ティルさんと一緒だから
怖くはなかった。向こう側が見えるほど透き通った黒で、ティルさんと同じ色だった。

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