5主人公×エレシュ 著者:7_825様

「…困りました」
人々が寝静まった夜の黎明城。遠く聞こえる滝の音にもかき消されてしまうほど小さな声で少女は呟いた。
その少女は、真夏にも関わらず布地の厚い白の外套を身に纏い、頭には動物の耳を模したようなゆったりとした被り物を付け、
口元は薄いベールで覆われていた。
やはり暑いのだろうか、少女の額には汗がにじんでいる。
「…ふぅ…我慢しますか…」
溜息交じりにそう呟くと、少女は額に浮かぶ汗を拭い、踵を返して立ち去ろうした。
「エレシュ?こんなところでどうしたの?」
立ち去ろうと歩みだしたところに背後から声をかけられる。
「ファルーシュ王子、まだ起きてらっしゃったのですか?」
声の主を確認すると、エレシュはそうファルーシュに返した。ファルーシュの手にはタオルで覆われた大きめの籠を持っている。
「うん、ちょっと武器の手入れをしていてね。結構大変なんだ。エレシュこそ起きてたんだ」
「えぇ、アズラッドが大事そうに隠し持っていた書物を読んでいましたら、いつの間にかこんな時間に…」
立ち止まったエレシュは歩み寄ってくるファルーシュに向き直りそう答える。
アズラッドといえば数多くの貴重な古書、奇書を所有している収集家で知られ、
人皮で装丁された、かの禁断の書「ネクロノミコン」までも、所持しているのではないかと噂される人物である。
そんなアズラッドが大事に持つようなものと言えば、やはりその…
自らの考えを否定するようにかぶりを振って、ファルーシュは思考を中断し、
「そ、そうなんだ。それでこんなところでなにしてたの?」
とエレシュにもう一度尋ねた。あまりこのことは深入りしないほうがいいと本能的に悟ったからである。
「あ、えぇ、お風呂に入ろうと思ったのですが、その…」
バツが悪そうに言うと、ある部屋の前に掛かっている札に目をやった。
──本日の営業は終了しました。ミルーン──
「お風呂に入りにきたのですが、見ての通りお風呂が閉まっていまして…」
真夏でもエレシュはその外套と被り物を脱ぐことはない。いやその服以外着ることを許されていないと見るべきか。
そんな見るからに暑苦しい格好で一日中過ごすため、他人よりも多く汗をかいてしまい、
さらには服自体も吸汗性が悪く、お昼前にはすでに全身が汗でベタついて非常に気持ち悪くなってしまう。
そのため、体を洗い不快な汗を落とすお風呂はエレシュにとって非常に重要なものなのだ。
「あぁ、でも室内風呂は閉まってるけど、露天風呂なら入れるんじゃない?」
ファルーシュは一度答えに納得するも、なぜ閉まっている風呂の前にいたのだろうと思い、そう付け加えた。
黎明城には室内風呂と露天風呂があり、室内風呂のほうはミルーンが管理し、すでに戸締りがされているのでもう入れないが、
露天風呂は外にあるため戸締りをしているわけでもなく、簡単な脱衣所も備え付けてあるので、
基本的にはいつでも入ることが出来る。そんなファルーシュも露天風呂に入りに来たところだったのだ

「そうなのですか?でも露天風呂は…」
「うん?」
「…室内風呂はいいのですが、露天風呂に入るためにはいささかエレシュの身長が足らないようなのです」
と少し悲しそうに呟いた。
ファルーシュはエレシュをよく見下ろすと、いつもは肩口まであるエレシュの頭の高さが、今は胸元までしかなく、
地面につくかつかないかというギリギリのラインを維持していた外套の裾も、完全に地面について引きずられている。
「あ、あれ?エレシュ?なんだか背が…」
「今エレシュは靴を履いていませんから。本来のエレシュの身長はこのくらいなのです。この服も洗いますし」
ちょんと外套の裾をつまみ、軽くたくし上げてサンダル履きの素足をブラブラと振って見せた。
「そうなんだ…」
「本当はもっとエレシュに合った服がよかったのですが、これ以上小さいのはないと言われてしょうがなく着ているのです」
少し拗ねるような口調で言った言葉がファルーシュには幼く可愛らしく見えた。
話によると、この外套はエレシュが試練に赴くときに用意されたものだが、
エレシュがあまりにも小柄だったため、一番小さいサイズでも今着ている外套しかなく、
特注しようにも外套自体を作るのに一年かかり、さらに紋章の力を編みこむのにもう一年、あわせて二年かかるという。
それならば作るよりかは成長するほうが早いだろうと判断され、とりあえずこれを着て行きなさいと言われたらしい。
「これも運命でしょうか…」
説明し終えたエレシュが目を伏せてそう呟くと、
「ファルーシュ王子、エレシュと一緒にお風呂に入っていただけませんか?」
しれっとした顔で言った。もとい、ベールに覆われているので表情はわからないが、きっとしれっとした顔をしていた。
「えっ?」
「エレシュは露天風呂に入りたいのですが、エレシュは身長が少々不足しているので湯船に入ると沈んでしまいます。
 以前レレイの膝を借りて入ったところ大変快適だったのです。ファルーシュ王子も露天風呂にお入りになられるところでしょうし、
 ファルーシュ王子の膝を借りればエレシュもお風呂に入ることが出来ます。エレシュを助けると思って一緒に入りましょう」
「え?えっ?」
思考が停止しているファルーシュをよそに、エレシュは口速にそう捲し立てると、
「善は急げです。さぁ行きましょう。ファルーシュ王子」
「い、いや、僕はあとで…ちょ、ちょ、ちょっと!」
よほど早くお風呂に入りたいのか、ファルーシュの手を取りエレシュは露天風呂に向けてずるずると引っ張っていく。
「ちょ、ちょっとまってぇ〜〜っ!!」
静かなセラス湖にファルーシュの声だけが響いていた。

「うぅ…どうしよう…」
三つ編みを解き、後頭部の辺りでくるりと丸めて幅広の髪留めで束ね、白く細いうなじを露わにしている美少女が、
もとい、美少女といっても全く違和感のないファルーシュが溜息混じりに湯船に浸かっていた。
露天風呂は混浴でも男女の脱衣所は別々なので、別れた後に、レレイあたりを連れてくればよかったのだが、
混乱した頭ではそこまで考えが回らず、ファルーシュは素直に露天風呂に入ってしまっていたのだ。
「ファルーシュ王子」
自分を呼ぶ声に振り向くと、外套を脱いで露わになった珠のような真っ白な素肌が目に入った。
ファルーシュは慌てて目を瞑り、目をそらすと真っ赤になって口元まで湯船に浸かってしまった。
「ファルーシュ王子、手を貸していただきたいのですが」
「う、うん…」
目を閉じたまま、恐る恐るエレシュのわきの下に手を入れて抱えると、ゆっくり湯船に下ろした。
湯船の浅いところではエレシュも爪先立ちをすればなんとか入れるのだが、少し奥にいっただけで急激に深くなっている。
これはビャクレンやゲンオウ、竜馬も入れるようにと、ムルーンが気を利かせて拵えたものだが、
背が低いエレシュにとってはまったく気が利いていない。尤も、背が低いということならビーバー族にも同じことが言えるのだが、
彼らは泳ぎが達者な上に何もしなくても浮き上がるのでそこまで気が回らなかったというのが正しい。
「それではファルーシュ王子、失礼いたします」
そういうとエレシュは俯いているファルーシュをよそに、膝を確かめるようにゆっくりと腰掛けた。
ふにゅっとした柔らかい感触がファルーシュの膝にダイレクトに伝わり、みるみる顔が紅潮していく。
「あぁ快適です。レレイの膝よりファルーシュ王子のほうがエレシュには合っています」
「そ、そう?」
くつろぐエレシュに対して、ファルーシュは緊張した面持ちで答え、恐る恐る目を開けた。
すると目の前にはいつものように白い被り物をしてるエレシュの頭が映った。
「エ、エレシュ?これは取らないの?」
「はい、事情はお話出来ませんがエレシュは男性に顔を見せるわけにはいきません。
 本来ならば外套も脱いではいけないのですが、流石に今日はあのまま入るのは不快ですので…」
「そ、そうなんだ…大変だね」
エレシュがこういう時はなにを聞いても答えは返ってこないと思い、あまり深く聞くことはしなかった。
しかし会話が途切れると嫌が応にも膝に座っているエレシュのお尻に意識が集中してしまい、
肉は薄いが、少女独特の丸みをおびた柔らかい感触が体に伝わり、情けないことに股間が反応してしまう。
───うぅぅ…早く出てくれないかなぁ…───
とファルーシュは祈ることしか出来なかった。

そんなファルーシュの願いも虚しく、事態はより悪い方向へと流れていく。
エレシュがもぞもぞ動き、さらに深く腰掛けてきたのだ。咄嗟に勃起したモノを太ももで挟んでなんとか衝突は免れたが、
エレシュのお尻が下腹部に当たり、背中もファルーシュに完全に預けて、より密着度が増してしまった。
───うぅううう…お風呂よりも別の意味でのぼせるちゃうよ〜…───
ファルーシュの心の叫びも、当然届くわけもなくエレシュは一人、露天風呂を満喫している。
頭をファルーシュの肩に乗せ、安心しきった様子でそっと目を閉じ、力を抜いて体を預けた。
しかし体を預けられているファルーシュの方は気が気でなかった。
少し動けばふにゅっとしたエレシュの柔らかさが体に伝わり、互いの素肌が吸い付くように距離をなくしていく。
おまけにちらっと下に目を向けると、エレシュのつぼみのようなピンク色の突起とほのかに赤みを帯びた素肌が視界に入ってくる。
慌てて視線をそらしても、一度網膜に焼きついた映像はなかなか消えることなくファルーシュの鼓動をより早める。
「…ファルーシュ王子、お願いがあるのですが」
「ん?な、なに?」
「エレシュの顔を見ないようにしてもらえますでしょうか?」
「え、う、うん」
深呼吸をしてなんとか鼓動を落ち着かせようとしているファルーシュは、
顔なら今も見えないじゃないかと思いながらも相槌を打つと、エレシュはそれを確認してからゆっくりと被り物を取った。
えっ、と呆気に取られているファルーシュ。その間にも被り物の下からはしなやかなゴールドブラウンの髪が肩まで広がり、
さらさらと零れ落ちる。軽く髪を梳いて束ねると、慣れた手付きで頭の後ろで軽く結ってまとめた。
そうしてパシャパシャと被り物を湯船につけ軽く顔を洗うと、再びファルーシュに体を預け、くつろぎ始めた。
「ふぅ、気持ちいいですね。ファルーシュ王子」
「えっ、あ、あぁ、うん」
エレシュの問いかけにようやく止まっていた思考が回り始めたのか、まだ止まっているのか、曖昧な答えを返す。
その時ファルーシュは、被り物を取ってあらわになった白いうなじに、なだらかな肩の曲線、ほんのり色付いた素肌、
穢れを知らない清楚な美しさを秘めたエレシュの裸体に、完全に目を奪われていた。
おまけにすぐ鼻先にあるエレシュの髪からは、香油のような甘い、いい香りが漂ってくる。
目をぎゅっと瞑り、ファルーシュの中では今まさに、本能と理性が壮絶な死闘を演じていた。
──はっはっはぁ〜、とぉつげきぃ〜──
──ほ、本能軍に中央を突破されましたっ!左翼ももうもちそうにありませんっ!敵の物量は圧倒的です!──
──えぇぃ、総力戦だっ、本隊も出陣る!なんとしても本能の侵攻を抑えるぞっ、ここで退くわけにはいかんのだっ!──
──はっはっはぁ〜、かかれぇ〜──
なぜかモヒカン頭がやたらと目に付いた。

「んん〜〜〜…」
そんな葛藤など露知らず、エレシュはリラックスした様子で大きく手を前に突き出し伸びをしていた。
しかし、気が緩んでいたのかその拍子にバランスを崩して、ファルーシュの上から滑り落ちるようにバランスを失った。
「えっ!?あっ!」
体は右に傾き、エレシュは体勢を立て直そうとするが、掴まるところもなく、仰向けでそのまま水面に…
叩きつけられることはなかった。
「あっ…」
膝から消えたエレシュの重みを感じ取ったファルーシュが正気に戻って抱きとめたのだ。
ファルーシュが目をやるとそこには、力を込めるとすぐ壊れてしまいそうなくらい華奢な体があった。
ほのかに赤く染まったみずみずしい素肌、ふくらみかけの乳房に、その先にちょんとついているピンク色の突起、
そしてつるつるの恥丘の下には、慎ましくぴっちりと閉じられた幼い秘裂が見えた。
慌ててかぶりを振り、雑念を追いやると、ゆっくりと右手を持ち上げてエレシュを抱き起こした。
するとファルーシュの目の前には、垂れ眉に、長い睫毛と少し潤んだ瞳、すっと整った鼻に、
薄めだがぷるんと柔らかそうな唇を持ったエレシュの素顔があった。
「あっ…エ、エレシュ」
「あ、ありがとうございます。ファルーシュおぅ…じ」
二人はしばらく無言で見つめあうと、
「あ、あわわ、あわわわわわわっ!!?」
エレシュが思い出したかのように、大慌てで顔を両手で隠し、俯いてしまう。
そして指の間から上目遣いでファルーシュを見遣ると、
「かかか、顔を!みみみみみみ、見てしまいましたか!?」
激しく動揺した様子でファルーシュを問いただした。
「あ、う、うん…ごめん」
エレシュの素顔に見惚れていたファルーシュは歯切れ悪くそう答えると、エレシュは真っ赤になってさらに俯いてしまった。
罪悪感に苛まれたファルーシュは今更ながらエレシュから目を背けたが、相変わらず抱きかかえている状況に変わりはなかった。
「と、とりあえず上がろうか?」
「…い、いえ…も、もう少し入っていましょう」
「え…?あ、うん…」
エレシュは未だに顔を押さえて俯いていたが、やんわりと申し出を断ると、再びファルーシュの太股に腰掛けた。
複雑な表情で顔をそらしているファルーシュ。無言で俯き、耳まで赤々と染まっているエレシュ。
二人の距離はないに等しかったが、その間にはとても重い空気が流れていた。

そんな空気に耐えられなくなったのか、俯きながらエレシュが先に口を開いた。
両手を膝の上に置き、頬を染め、横目でちらちらファルーシュの方を見ている姿がとても愛らしい。
「…ファルーシュ王子。そ、そのエレシュの顔を見てしまいました…よね?」
「う…うん、ごめん。…で、でも、その…可愛かったよ」
素直に答えてしまったファルーシュに、エレシュは一瞬言葉を失う。
ファルーシュの答えをようやく理解したのか徐々に顔が赤く染まり、また慌てて両手で顔を覆い隠してしまう。
「…こ、これも運命なのでしょうか…」
エレシュは消え入りそうな声で呟くと、意を決したように体の向きを変え、ファルーシュに向かい合うように座りなおした。
すると対面座位のような格好になり、エレシュはファルーシュの首筋に手を回してすーっと抱きつく。
ファルーシュは突然のエレシュの行動に、なすすべなく、ただえっ?えっ?と狼狽するばかりで、
なんとか混乱した頭を収拾しようとするも、体のいたるところに柔らかい肌が触れ、
上気したエレシュの体から湯気が立ち上り、汗の匂いが立て直すことを許さないかのように追い討ちをかけてくる。
エレシュは恥丘を擦り付けるようにしてもう一度座りなおすと、そんなファルーシュを正面から見据え、
「…ファルーシュ王子。エ、エレシュと性交渉をしていただけないでしょうか?」
などと、唐突にとんでもないことを言い出した。
「えぇと、その、あのエレシュは、ファルーシュ王子と契りを結ばなければならなくなってしまったのです」
「ちょ、ちょちょっと、ちょっとまってっ!!」
捲くし立てるエレシュをファルーシュは肩を抱いて制した。いきなり抱きつかれてから、まったく展開についていけない頭を
なんとか立て直し、必死に言葉を搾り出す。
「ど、どういうことなの!?いきなりそんな…」
「…そ、その、エ、エレシュは、初めて素顔を見られた男性に…その…み、操を捧げなければならないのです…」
たどたどしい口調でそう答えると、ファルーシュの胸に身を任せるようにした。
「も、申し訳ありません、ファルーシュ王子…これ以上詳しいことはお話出来ません…戯れでも結構です…
 で、ですからどうか…エ、エレシュを抱いてください…エレシュは、王子となら構いません…」
「でも!…そ、そんなこと…」
「…お、お願いいたします!…でないとエレシュは…」
涙まじりにエレシュが答えると、ファルーシュは今までの狼狽振りが嘘のように、落ち着きを取り戻した。
「…どうしても?…教えてはくれない?」
エレシュは言葉を発せず、上目遣いでコクン、コクンと頷き、それを見たファルーシュは小さくそっかと呟いた。

「うん…わかった。でも僕もその、初めてだから上手く出来るかわからないよ?」
「あ、ありがとうございます…エレシュは、ファルーシュ王子に抱いていただけるだけで十分です…」
ファルーシュは左手を湯船に浸かったエレシュの腰に添え、右手を背中に回して抱きすくめた。エレシュもそれに答えるように、
目をきゅっと閉じてファルーシュにしがみつくように抱きついた。
「エレシュ、僕は本気でエレシュを抱きたい…それにもう止められない、いい?」
「は、はい…おねがいしま、んんっ!」
ファルーシュはそう耳元で囁くと、エレシュの答えを待たず、唇を強引に塞いだ。
「はっ、んっ、んむっ、ふっ…んんっ」
「ンーッ!…んっく……んんんッ」
ファルーシュの舌は、エレシュの唇と堅く閉ざされた歯をこじ開けて口腔内を彷徨い、やがて中にある舌に絡みつく。
縮こまったエレシュの舌をほぐすように貪り、吸い出す。
最初は萎縮していたエレシュの舌もやがてファルーシュの絡みつく舌のなすがままになっていた。
エレシュの口腔内を舌で蹂躙すると、唾液を流し込み、唇、舌、歯茎や歯の一本一本に至るまで舌で塗りつけていった。
「んっ、ちゅっ…んっんっ」
「んふぁっ、んっう〜、ちゅっ」
口腔の征服が完了すると、再びエレシュの舌に絡みつき、今度はエレシュの唾液を吸いだしていく。
まるで極上のワインを飲むように吸い出した唾液を口の中で転がし、エレシュの味を満喫してからゆっくりと呑みこんだ。
ようやく長いキスを終え、唇と離すと、最後まで絡み合っていた舌と舌に唾液の橋がつぅ〜っと架かる。
キスを終えたエレシュは、切なげに眉を八の字にゆがめ、口をだらしなく開き、とろんとした瞳でファルーシュを見つめていた。
「はぁ…ぁ…ふぁるぅ〜しゅ…おぅじぃ…」
「ファルーシュでいいよ…」
「はぃ…」
抱きついていたエレシュの腕にはもう力はなく、腰もふらついていてファルーシュが支えなければ今にも倒れてしまいそうだ。
ファルーシュはエレシュを抱きかかえたまま湯船から上がり、傍にあるサークルベンチを跨ぐようにして座った。
そのままエレシュを太股に乗せると、勃起した陰茎が二人の間から顔を覗かせた。
「エレシュ、見て。エレシュが膝に座ったときからずっとこうなんだ…」
「…こ、これがファルーシュのペニスなのですね」
初めて見ましたと小声で囁くのを耳にすると、ファルーシュはエレシュの右手を手に取りそっと自分の陰茎を握らせた。
そのままエレシュの右手を持ったまま少し上下にしごかせると、鈴口から粘性の高い液体が滲み出てきた。
すると今度は左手を手に取り、鈴口から滲み出た液体を指先に付けると、そのままエレシュの口に運んで舐め取らせた。
「…変な味がします」

ファルーシュは再びエレシュの手を取り陰茎に添えさせると、
エレシュは右手で陰茎を握りしめしごきあげ、左手で亀頭を被うと円を描くように動かし始めた。
「…こ、こうでいいのでしょうか?」
「あぁ、うん、エレシュの手、気持ちいいよぉ」
エレシュと混浴している間、ずっと勃起状態だった陰茎にようやく刺激が加わり、ファルーシュは思わずよがり声を上げる。
おぼつかない手つきではあるものの、エレシュがしてくれているという状況と、まだ幼さの残るエレシュにさせるという背徳感が、
さらにファルーシュを酔わせていた。
「…いっぱいおつゆが溢れてきますね…んっ」
鈴口から溢れ出し始めた粘液を亀頭に塗りつけ、左手にたっぷりとついた粘液をエレシュは舌をちょんと出して舐め取る。
一方のファルーシュもエレシュの腰に添えていた手を、お尻の割れ目に沿うように下ろしていき、きゅっと窄まった菊門に触れた。
「ひゃうっ!?そ、そこはいけませんっ」
そうエレシュは言ったが、ファルーシュは更に菊門を撫で、時には指を押し込むよう刺激を与え続ける。
「あっ、んっ、いけません…ファルーシュ」
懇願するようにエレシュが言うと菊門への愛撫をやめ、手を前に回し、堅く閉ざされた幼い秘裂を指でさわさわと弄り始めた。
秘裂はぴっちりと閉じられ一本の筋にしか見えなかったが、ファルーシュは丹念に秘裂を中指で擦り上げた。
秘裂を擦り上げるタイミングに合わせて、エレシュが握っている陰茎にも力が入り、ファルーシュにも快楽が伝わる。
「あぁっ!…ファルーシュ、ファルーシュ…そんなにエレシュの…」
「んっ、はぁ……エレシュの、なんだい?」
ファルーシュは意地悪く微笑むと、エレシュに呑みこんだ言葉の続きを催促した。
「んっ、ふっ、ほら…早く言わないと…もっとしちゃうよ?」
そういうとファルーシュは少しだけ秘裂を擦り上げるスピードを上げた。
「あっ、はあっ、あんっ、エ、エレシュの…あっはっ、エレシュのアソコをそんなに、あっ、擦らないで、くださっ、い!」
「はぁっ、あっ、ダメだよ。僕のこれを入れるんだからっ、もっと、いっぱい濡らさないとね」
「そ、そんなっ!?あっ、うんっ、はぁっ!」
ファルーシュはさらに擦り上げるスピードを上げ、時折秘裂を開くように中指を差し込んだ。
エレシュの秘裂からはさらさらとした蜜液が滲み始め、ファルーシュの鈴口からは陰茎全体と、エレシュの両手をも
濡らしてもまだ余りある粘液が溢れ出していた。
今まで手をつけていなかったエレシュの胸の軽く撫でると、その先にあるピンク色の突起をねっとりと舐め始め、
さらにエレシュの体を弄るように左手を動かした。
エレシュも両手を陰茎の幹に添え、じゅぼじゅぼと音がするほど上下に激しく擦り上げた。

「ちゅぷっ…ぱぁっはぁ、エレシュ、気持ち、いい?」
「はぁっはぁっ、あっ、んんっ、ファルーシュ…エ、エレシュは、もう、おかしくなって、しまいますっ」
「僕も、もう、はぁっ、ダメだっ」
ファルーシュは中指をエレシュの秘裂に浅く差し込み、襞ともいえない膣口をジュブジュブと擦り上げ、
左手でエレシュを抱き寄せて、強引に唇を奪い、貪る。
「んんっっ!あっ、ああっ、エレシュはっ、んぁぁあぁあああっ!!」
「んっ、ちゅぶっ、くっ、はぁっ、あっ、エ、エレシュッ!」
エレシュが一際高い嬌声を上げると、差し込まれた中指の先をきゅっと締め付け、秘裂から蜜液が溢れ出す。
ほぼ同時に、白濁とした粘液がファルーシュの鈴口から勢いよく飛び出すと、エレシュの膨らみかけの胸を白く染め上げた。
「はぁ、はぁ、はぁっ、はぁ…」
「はぁ、エレシュ…大丈夫?」
「んくっ、はぁ、はぁっ、はぁっ…あまり…はぁっ、平気じゃ、ありません…」
ファルーシュは射精の余韻もそこそこに、今にも倒れそうなエレシュを抱きかかえると、ベンチに横たえて休ませ、
手桶でお湯をすくい、ちょろちょろとかけるとエレシュの胸にかかった精液を洗い流した。
横たわるエレシュの胸は大きく上下し、荒い呼吸を繰り返している。
力なく開かれた脚の間には、蜜液でテカテカと光っている秘裂が目に入り、とても扇情的だった。
ファルーシュはいまだ衰えない陰茎を手に持つと、エレシュの幼い秘裂にこすり合わせ始めた。
「はぁ…あっ、はぁ…んんっ、ま、まっ、て…はッ…きゃうっ…んっ」
たちまち鈴口と秘裂から愛液が溢れ出し、ぬちゅぬちゅと卑猥な音を立て始めた。
エレシュの秘裂からはとめどなく蜜液が流れ出し、白く華奢な太股と伝ってベンチを汚していく。
「エ、エレシュ…ごめん、もう我慢できない」
こすり合わせるのをやめ、両手を腿の付け根にそえ、幼い秘裂をこじ開けると、そのまま勃起した陰茎を押し込んでいった。
「あっ、ひぐっ、んぐっ、あぁぁあああっ!!」
ミリミリという嫌な音を立てている秘裂にエレシュの腰を掴んで陰茎を少しずつ奥へ奥へと進ませる。
エレシュは苦痛からか体を反り返らせ、手はベンチの縁を指先が白くなるほど強く掴んでいた。
やがて半分ほど陰茎が秘裂に埋まったとき、亀頭が肉の壁に当たり、これ以上の侵入を拒んできた。
「あ…あぁぁ…はぁっ…はぁっ…お腹まで…入っています…」
エレシュがそういうとファルーシュは押し込むのをやめ、ゆっくりと引き抜き始めた。
「ひゃふっ…んっ、くぅうっ…はぁ」
「くっ、ふぅうっ…んんっ」

幼い膣襞が、擦れる隙間もないくらい陰茎にぎゅっぎゅっと強烈に締め付けを与え、思わずくぐもった声を出す。
カリ首が見えるくらいに引き抜くと、秘裂から血交じりの蜜液がか掻き出され、再び陰茎を膣奥へと押し込んでいく。
「あぁ…んんっ…いぐっ…ふぁ…んんっ」
膣内を往復する陰茎に合わせて少しずつエレシュが嬌声を上げ始める。
締め付けるだけだった膣襞も段々とほぐされるように柔らかみと熱を帯び、逃がさないように陰茎に絡みつき、
やがて結合部からグチュグチュと音を立て、蜜液が混じりあう。
「あんっ、はふっ、ふぁ、ふぁる〜、しゅ…エ、エレシュのっ…アソコ、気持ち…いいですっ…か?」
「んっ、ふっ、うんっ…熱くって、キツくって…気持ち、いいっ」
「はぁっん、あっ、ぉ、よかったっ、です」
ファルーシュはベンチからエレシュを抱き起こすと、下から突き上げるようにさらに激しく秘裂を貫いていく。
エレシュはそれに耐えるようにファルーシュにしがみついた。
「…あっ、んんっ、ひっ、ひゃっ、きゃうっ!?」
「えっ、あぁっ!くぁっ!」
不意にいままで半分しか入らなかった陰茎がずるっと丸ごと秘裂に呑みこまれ、耐え難い快楽がファルーシュを襲う。
深々と秘裂に刺さった陰茎は、子宮口をこじ開け子宮を直接擦り上げていたのだ。
「あぁぁぁあっ、あ、がぁっ…ダ、ダメェッ!あぁぁあああっ!!」
エレシュは子宮を擦られる感覚に、痛いくらいに反り返って一気に絶頂を迎えた。
秘裂からはさらに大量の蜜液が溢れ出し、まだ子宮を突き上げるファルーシュから胸に手を当てて離れようとするが、
ファルーシュは両手でエレシュの腰をがっちり掴み、さらに突き上げて決して逃がそうとはしない。
「あ、つぅ、エレシュ、で、でるっ!」
「あぁぁぁっ!エ、レシュのおなかっ、おなかにっ、はっぁ、だしてくださぃっ!」
射精の意を受けると膣内射精を促し、エレシュは離れようとしていた手をファルーシュに回して再び抱きついた。
「はっ、はぁぁっ…エ、レシュッ!」
───ドビュッ!ドピュッ!───
腰元から熱い塊が精管を駆け抜け、鈴口からエレシュの子宮に大量に吐き出される。
瞬く間にエレシュの子宮を蹂躙し、膣から押し出されるようにして結合部から流れ出す。
「あぁぁ…あはぁ…はぁ…んぁ…んんっ」
「はぁっ、はぁっ…はぁ〜…エレシュ…ふぅ、んっ」
長い射精を終えると、だらしなく開いたエレシュの口から舌を引っ張り出し、互いの舌を絡めあった。
ファルーシュはいまだに萎えることを知らない陰茎を再び小刻みに動かしながら、エレシュの口腔内に舌を侵入させた。

「ん…あむぅ…ぱぁ…」
「はぁ…んんっ…んっ…」
ゆるゆると巻きついてくるエレシュの舌に唾液を塗しながら、再びファルーシュは子宮を突き上げる。
引き抜くたびに、子宮内に充満した精液が掻き出され、ベンチの下には白濁とした水溜りが形を大きくしていく。
一撃、一撃、突き上げるたびにエレシュは絶頂に達し、
秘裂からは壊れた蛇口のように白濁としたファルーシュの精液と一緒になって、エレシュの蜜液が漏れ出てくる。
「あっ、あぁっ、もぅっ、エレシュはあっ!…あっぁ、こ、壊れてしまいますっ」
「…あっ、くっ…エレ、シュ…エレシュッ!」
エレシュは膨らみかけの胸を強調するように仰け反り、弾け飛びそうな意識を必死に繋ぎとめているが、
ファルーシュはそれを追撃するかのようにエレシュの頭を抑えて口撃をする。
亀頭を子宮口のあたりで小刻みに前後させると、子宮口がきゅっと締まりファルーシュに極上の快楽を与える。
「…エレシュ、もうっ…もう一回、中に出すよっ」
「はぃ…はひぃ…なかに…お願い、しますっ」
半分以上意識を手放しているエレシュにそういうとファルーシュはこれまでにないくらい激しくエレシュを攻め立てた。
秘裂の入り口まで円運動を交えて膣襞を削るように引き抜き、一気に子宮まで突き上げる。
───ヌジュッ、グチッ、ヌチャッ、グチュッ!───
粘度の高い水音が結合部から漏れ、ファルーシュもそれに合わせて高まっていく。
「はぐっ!…ひゃっ、あっ、あぐっあぁぁっ!!」
「くっ、エレシュ、いくよっ!」
流れるような動きから、一回一回、子宮を突き破るような深い注送を繰り返す。
「…あっ、あふっ、ひゃぁぁああああっ!」
「はぁっ、はあっ、あぁぁっ、エ、エレシュ!」
一際深く子宮内に突き入れると、エレシュの膣襞、子宮口が陰茎をこれ以上ないくらい締め上げ、
その快感に耐え切れず、ファルーシュは噴火したように鈴口から精液を放出した。
────ドブッ!ドビュ!ドクドクドク…────
今まで以上に激しい射精が行われ、ファルーシュの意識が飛びかける。
二度の膣内射精で完全に行き場を失った白濁液は、陰茎をくわえこんだままの秘裂から泉のように溢れ出した。
ビクッビクッと陰茎が震えると、ようやく精液の放出が終わる。
「あっ…ぁぁ…ぅ…」
「かはっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁ…はぁ〜…」
ずるりと陰茎を抜くと、エレシュの秘裂がパクパクと動いて、胎内に残っている精液がボタボタと零れ落ちていった。
「…ファルーシュ…ありがとう、ございました。…これでエレシュは試練を乗り越えることができました…」

激しい性交渉のあと、二人は汗と精液を洗い流して再び露天風呂に浸かっていた。
先ほどと違うことといえばエレシュがファルーシュにお姫様抱っこをされているというくらいか。
「…ファルーシュ…あの、そんなにまじまじと顔を覗き込まれると恥ずかしいのですが…」
「今まで見れなかった分、もっと見ていたいな。こんなに可愛いんだし」
「そ、そんなことありません…」
ファルーシュの視線に耐え切れなくなったのか、真っ赤になった顔を背け、また両手で覆い隠してしまった。
「ちゃんと見せてよ〜、じゃないと…」
ファルーシュは非難の声を上げるとエレシュの脇腹をコチョコチョとくすぐりはじめた。
「ひゃうっ!?や、やめてくださぃ、ぉ、お見せしますから!」
「うん、ちゃんとこっち向いてね」
「は、はぃ…うぅ…」
裸よりも顔を見られるほうが恥ずかしいのか、エレシュは相変わらず赤い顔をためらいがちに向け、両手を下ろした。
恥じらいを帯び、潤んだ瞳で見上げる様は、なんとも愛くるしい。
「さっきは、ごめんね。あんな強引に…」
「…いえ、エレシュが望んだことですから…それに、その…」
「それに…?」
「あ、あの…き、気持ちよかったです…」
「そ、そう…それならよかった…のかな」
二人とも先ほどの情事を思い起こして、照れたように俯いた。
「…ファルーシュ」
エレシュが顔を上げ、しっかりとファルーシュを見据える。
「あなたが望む限り、エレシュの力はあなたの力です」
そんな決意のこもったエレシュの言葉にファルーシュは目を細め、笑顔で頷いた。
「それと…」
「うん?」
「ファルーシュが望む限り、エレシュはファルーシュのものです…」
エレシュはファルーシュの首に手を回し、ゆっくりと長い長いキスを交わした。

──了──

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