ヒューゴ×クリス 著者:1_765様

※前提→炎の英雄の後継者はヒューゴ

 炎の英雄としての勤めを果たし、母であり、族長でもあるルシア達と共にカラヤ
クランへ戻ったヒューゴは、村の再建や母の後を継ぐ為の勉強で、忙しい日々を送
っていた。
 グラスランドの他の村との交流や、ゼクセンとの和平交渉の席へ同席した事も、
何度もあった。
 そうして、あの戦いから、二年程が経っただろうか。

 ルシアはいい加減、炎の英雄である息子・ヒューゴに族長を継がせたがっていた。
 彼女自身、前族長であった父親を早くに失い、若い頃から族長を務めていたから…
…といっても、今のヒューゴよりは幾つも年上であったが……族長の任を息子に任
せ、少し肩の荷を降ろしたいと思っていたのかも知れない。
 だが、頑なにヒューゴは新族長に任命されるのを断っていた。
 ……煮え切らない。
 自分でも分かっていた。
 族長を継ぐのが負担だとか、そういう事ではなくて。
 何が煮え切らないのかといえば、それは……。
「フーバー、俺は、どうしたらいいんだろうな?」
 カラヤを見下ろす小高い丘の上に座り込んで、ヒューゴは隣に腰を落ち着けている、
ルル亡き後唯一の親友となったグリフォンのフーバーに声をかけた。
「キュィィ?」
 フーバーは首を傾げる。
 誰かに相談したところでどうにもならないのは分かっていた。
 誰かに答えを出して貰ったところで納得出来ないであろう自分も分かっていた。
 ヒューゴは立ち上がり、フーバーの首の辺りをぽんぽん、と軽く叩いた。
「……そうだよな……。俺が自分で答えを出さなきゃならないんだよな……」
 そうして、遥か西方、ゼクセンの方へと首を巡らせた。
「フーバー、悪いけど、ビネ・デル・ゼクセまでひとっ飛び、頼むよ」
「キュィィィィィィ!!」

 ビネ・デル・ゼクセに着いたのは、まだ夕方と呼ぶには早い時刻だった。
 ヒューゴの目的の人物は……ゼクセン騎士団長・クリスは、今、この街にいるの
だろうか。
 それとも、ブラス城に赴いているのだろうか……。
 とにかくヒューゴは、彼女の実家を訪ねてみる事にした。
 執事が彼を出迎える。
 ライトフェロー家の執事とはジンバに頼まれた用事で一度だけ会っているし、ク
リスが何度か彼の事を話題に上らせたのだろう、執事はヒューゴを見ると、すぐに
分かったようだった。
 玄関ホールまで通され、執事が尋ねる。
「ヒューゴ様……でございましたかな?」
「え……ああ、はい」
 ヒューゴは頷く。
「あの……クリスさんはいますか?」
 ヒューゴが問うと、執事は首を振った。
「あいにく、執務でお出掛けになられております。ですが、今はビネ・デル・ゼク
セに滞在致しておりますので、夕刻にはお戻りになられるかと。……どうぞ、それ
まで客間でおくつろぎ下さい」
 そう言って、執事はヒューゴを奥へ通そうとする。
「え……あ、あの、いいんです。これをクリスさんに渡して下さい」
 言いながら、ヒューゴは懐から書簡を取り出した。
 執事は受け取りながらも、首を傾げて呟く。
「そうですか……? きっと、お会い出来ればクリス様もお喜びになると思います
が……」
 そこまで言って、執事ははっとなって首を振った。
「いえ、ヒューゴ様もお忙しい身でしたね。御無理は申しますまい。こちらの書簡
は、必ずクリス様にお渡しします」
「はい、お願いします」
 言うと、ヒューゴは執事に一礼して、ライトフェロー家を出た。
 何だかほっとした……のと、残念な気持ちが同居した、不思議な気分だった。
 けれどきっと、すぐに会えてしまったら、むしろ告げたい事も告げられないので
は、とヒューゴは思う。
 自分がこんなに臆病で煮え切らない男だった事に驚きを感じる。

 手紙には、「今夜、時間があったらゼクセンの森の橋まで来て下さい。ヒューゴ」
と書いた。
 クリスが忙しい身である事を十分に分かった上で、そう書いた。
 それは、ヒューゴがクリスを試した、という意味だ。
 今夜彼女が来なければ、彼女にとって自分はその程度の存在で、それなら自分も
彼女への想いを吹っ切れる。
 それならそれで、いい。
 ヒューゴの心の中も、まだ完全に決まった訳ではなかった。
 クリスの事を女性として意識し始めてから、彼はずっとルルの事で彼女を憎む気
持ちと、彼女を好きだという気持ちとの葛藤と闘っていた。
 ……どんな形であれ、この気持ちに決着を着けなくては。
 こんな悶々とした気持ちを抱えたまま族長になったとしても、仕事に身なんか入
りっこない。
 「お会い出来ればクリス様もお喜びになると思いますが……」と彼女の家の執事
に言われた時、嬉しかった自分がいた。
 でもそれは、あくまで戦友としてなのかも知れないし、もしかしたら……。
 あの戦いの後、公式の場で何度か顔を合わせたし、そのあと少しだけなら個人的
に会話を交わしもした。
 けれどあの戦いが終わった後の、別れ際の、彼女との抱擁が忘れられない。
 あれは挨拶だ、自分でそう言ったではないか。
 彼女は来るのだろうか?
 フーバーにはビネ・デル・ゼクセの入り口の辺りの森で待っているように言って
ある。
 どうにも馴染めないゼクセン風の味付けの夕飯を食べて、フーバーにも軽く食事
をさせて別れた後、ヒューゴは橋の上に腰掛け、とりとめのない考えを繰り返して
いた。
 太陽は完全に沈み、青白い月がゼクセンの森を照らしていた。
 それ程深い森ではないが、やはり夜ともなると薄暗い。
 唯一橋の辺りだけが、すぐ近くには木が生えていない為にそれなりに、明るい。
 やがて遠くから、馬の足音が聞こえて来た。
 どきん、とヒューゴの心臓が跳ね上がる。
 その足音が、クリスの白馬である保証は無い。
 だが、そんな彼の心配をよそに、やって来たのは紛れもなくクリス本人だった。
 ヒューゴの姿を認めて、クリスは愛馬の足を止め、馬から下りると側の木に馬を
繋ぎ、ヒューゴの方へと歩いて来た。

 ヒューゴは慌てて立ち上がる。
「……久し振りだな……どうした?」
 クリスは公式の場での鎧姿ではなく、髪を下ろし、軽装でやって来ていた。
「えっと、あの、いきなり呼んじゃって御免なさい……」
 ヒューゴは自分で呼び出したにもかかわらず、内心パニックに陥っていた。
 心の底では、きっと来ないだろうという気持ちの方が大部分を占めていたのだ。
 クリスは真面目だから、多分用事が無ければ来てくれるだろう、と考えていたのに。
 最初の挨拶の段階から、ヒューゴの顔は真っ赤になってしまっている。
 照らしているのが月明かりだけなのが幸いだったかも知れない。
 だが、月明かりの下だというのに、クリスは美しかった……あの頃より、ますます
美しさに磨きが掛かっている。
 ヒューゴは更に混乱して、目が回って来た気がした。
 そんなヒューゴを不思議に思いながらも、クリスは彼に近付いた。
 すぐ側まで歩いて行き、彼を見上げる。
「……背が、伸びたな」
 クリスが呟くように言った。
「え……あ」
 言われて、ヒューゴも気が付く。
 公式の場では何度も会ったが、こんなに近くで話す事なんて無かった。
 あの頃は……確か。
 ヒューゴの方が、背が低かったはずだ。
「窓枠にぶら下がっていた、効果が出たのかしら」
 クリスは言いながら、くすくすと笑った。
「え」
 ヒューゴは呟いてから、先程とは別の理由で真っ赤になった。
「な、ななな何でそれを」
「あ」
 クリスは目を逸らす。
「……クリスさん?」
 じと目で自分を見つめるヒューゴの視線に耐えられなくなったのか、クリスは口を
開いた。
「サロメが……炎の運び手のリーダーの事を少しでも知っておきたいと言って、キッ
ドに調査を頼んで……」
「…………」
 確かに、サロメが原因なのであれば頷けなくもないが……。
 黙ってしまったヒューゴをちらりと見て、これ以上何か突っ込まれる前に、と話題
を変えた。
「それで、何の用で私を呼んだのだ?」
 途端、ヒューゴはまた言葉に詰まってしまった。
「え、えっと……、ええと……」
「?」

 どうしよう。
 何て言おう。
 でも。
 だけど。
 ヒューゴは大きく息を吸い込んだ。
 そして。
「クリスさん……好きです!!」
「へ?」
 あまりの急展開に思考が追い付いていないのか、クリスが間の抜けた声を出す。
 ヒューゴも呆然としていた。
 違う、いきなりこんな事を伝えたかった訳じゃなくて。
 ああ、でも、もう。
 口から出てしまった言葉は元には戻らない。
 ヒューゴは色々難しく考えていた事は忘れて、ただ今の自分の気持ちを正直に言葉
にしようと決めた。
「まだ……まだ、ルルを殺された時の事を忘れた訳じゃない……たまにあの時の事を
思い出すと貴方の事が憎くなって……違う」
 言葉にして、ようやく気付いた。
「違う、俺は……あの時の無力な自分を思い出すと悔しくて、その悔しさを貴方への
憎しみに転嫁していただけで……あの、だから、好きなんです!!」
 支離滅裂だ。
 クリスは黙っている。
 考えていた、驚いていた。
 ヒューゴは、気になる相手ではあった。
 部下でもなく、自分の上に立った人間だったが上司ではなく、信頼の置ける戦友で、
そして敵でもある。
 多分、自分より強いであろう、男。
 自分は……。
 ……自分は?
「ヒューゴ……お前の気持ちは嬉しい。……で」
 でも、と言おうとした瞬間、僅かに足をずらしたつもりだったが、彼女も突然告白
されて動転していたのだろう、橋の端で話をしていたせいもあったがクリスは見事に
片足を滑らせ、その体が傾いだ。
「え……っ」

「ク、クリスさん!」
 ヒューゴが慌てて抱きとめる……クリスも思わず、ヒューゴの体に腕を回して自分
の体を支えた。
 前屈みになったヒューゴがゆっくり体を起こしながら、クリスを引き上げる。
 その体勢はあの時の、別れ際の抱擁と同じように見えたが、ヒューゴの体は逞しく
成長していて、クリスの体は完全に包み込まれた。
 父親と幼い頃に生き別れたクリスには、男に抱き締められた記憶が無かった。
 少女のように顔を真っ赤にして、心臓をドキドキさせながら、クリスは瞬時に儀式
の地での、ルシアの言葉を思い出した。
 「子供が欲しいなら、隙を見せないと駄目だよ」
「ち、違う!」
 クリスは思わず、自分の記憶の中のルシアに叫んでいた。
 ヒューゴの体が、強張った。
「あ……ご、御免なさい。俺……」
 泣きそうな顔で体を離そうとするヒューゴに慌ててクリスは首を振る。
「いや、それも違う……あ、じゃなくて、その……」
「クリスさん……」
 ……頼む、そんな目で見ないでくれ……!
 ヒューゴの、甘えたような、それでいて艶を帯びたように濡れた瞳を見て、クリス
は心の中で叫んでいた。
「ヒューゴ……」
 しかし心とは裏腹に、クリスは囁くようにヒューゴの名前を呼んでいた。
 ……流される……。
 違う、多分迷っていただけなのだ。
 意識から離れたその手が、ヒューゴの体を草の上に導いた。
 ゆっくりと倒れ込む。
 軽く、ヒューゴの唇がクリスのそれに触れた。
 顔を真っ赤にして、ヒューゴが呟くように言った。
「あの……俺、初めてだからよく……」
「……だ」
 クリスの言葉が聞き取れなくて、ヒューゴは聞き返す。
「私も初めてだ!!」
 クリスは思わず叫ぶ。
「だから……」
 お互い真っ赤になりながら、また口付ける。
 何だかよく分からないまま、舌を絡める。
 ぞくぞくとして、甘美な感覚だった。

「クリスさん……クリスさん」
 名前を呼びながら、ヒューゴはクリスの服をまさぐる。
 形の良い胸を探り当てると、ひたすらにそこを撫で、ゆっくり揉み始める。
「……っふぅぅん……」
 鼻に掛かった、甘えた声が自分の口から漏れて、クリスは驚きと羞恥で真っ赤に
なった。
「クリスさん……」
 ヒューゴはまた口付けると、舌を絡める。
 このような行為は初めてなので、舌の動きに気を取られると手はお留守になってし
まう。
 ヒューゴは赤く上気した顔で口付けをやめると、ぎこちない手付きでクリスの服を
脱がし始めた。
「あ……っ」
 恥ずかしくて思わず身をよじると、ヒューゴが尋ねた。
「あの……クリスさん、嫌ですか?」
「いや、そんな事は無いのだが……」
 ふとヒューゴの下半身に目をやってしまう。
 カラヤ族特有の、だぼだぼした服を見に着けている為、よくは分からないが、僅か
にだが、不自然に膨らんでいる、気がする。
 男女の事には疎いクリスだったが、男性は性的に興奮すると勃起してしまい、それ
を我慢するのはヒューゴくらいの年齢の少年だと大変だという事くらいは知識として
ある。
「じ、自分で脱ぐ……。だから、ヒューゴも自分で脱げ」
 照れ隠しに言い放つと、恥ずかしさも手伝ってふいとヒューゴから顔を背けてしまう。
 そのまま服を脱ぎ始めたが、背後からヒューゴが声を掛けた。
「クリスさん……嫌なら、俺……」
 クリスは思わず振り返る。
「嫌ならお前を張り倒してでも帰っている!」
「あ……」
 確かに、クリスならば本当にそうするだろう。
「クリスさん……!」
 ヒューゴはクリスを抱き締めると、そのまま再び草の上に倒れ込んだ。
 だが、すぐに起き上がって服を脱ぎ始めた。
「その……あっちの陰に行かないか?」
 クリスが言った。
 確かに街道沿いでは夜中とはいえ、誰か通らないとも限らない。
 ヒューゴは脱いでしまった上着を右腕に掛けると、まだ彼女が掴んでいた服共々
クリスを抱き上げ、茂みの陰まで連れて行った。

 草の上に彼女を下ろした時、クリスの服がはらりと落ちた。
 母親以外の、初めて見る女性の乳房。
 ヒューゴは思わず、そこへむしゃぶりついていた。
「あんっ……!」
 クリスの口から、高い声が漏れる。
「クリスさん……クリスさん……」
 ヒューゴは熱に浮かされたように繰り返しながら、幼子のように片方の乳首を吸い、
もう片方は指でつまみ、こね回し、そして乳房全体を揉みしだいた。
「は……あぁ……」
 クリスは初めての感覚に戸惑いながらも、その快感を受け入れ始めていた。
 乳房に触れていない方の手が、彼女の背中や首筋、腰の辺りを無作為に撫で回す。
 まだお互い、下半身は衣を身に纏ったままだったが、膝の辺りに押し付けられた
ヒューゴの股間が痛い程張り詰めているのが分かり、クリスは頬を赤くした。
 やがてヒューゴの手が、クリスの長ズボンを下ろし、下着に侵入した。
「あっ!」
 クリスは身を硬くする。
「クリスさん……」
 囁いて、ヒューゴはクリスの、秘密の部分に触れた。
「濡れてる……」
 彼の呟きに、クリスはますます顔を赤くする。
 誰にも触らせた事の無い、秘めやかな場所を、ヒューゴの手は一心不乱にまさぐって
いた。
 襞を掻き分け、泉の中心を探り当てるとそこへ指の腹をこすりつける。
「あ……あぁん、やぁぁぁ……」
 甘い声を上げ、クリスは身悶える。
 泉からはどんどん溢れて来てしまっている。
「クリスさん……気持ちいいの?」
 ヒューゴは囁いて、その手を動かした。
 それが、クリスの最も敏感な部分に触れた。
「あんんっ!!」
 クリスの腰が跳ね、一際高い声が上がる。
「ここ? ここが気持ちいいの?」
 ヒューゴは、初めて触った女の体に夢中だった。
「はぁっ、あん、あ、あぁぁぁ……!」
 そこを何度も何度も弄られて、クリスは嬌声を上げる。
 クリスの感覚に比例するように、ヒューゴの手の動きがどんどん激しくなって行く。

「あぁ……駄目、何か……何、か来るぅぅぅ……!!」
 クリスは叫ぶ。
「あ、いや、や、あぁぁぁあああぁん!!」
 びくびくと腰を跳ねさせ、クリスは達した。
 彼女の恥ずかしい部分は、ひくひくと蠢いている。
「は、はぁ」
 生まれて初めて味わった絶頂感にぐったりとなりながら、クリスはヒューゴを見上
げた。
 ヒューゴは腰紐を解くと、残っていた着衣を全て脱ぎ捨てた。
 彼の中心はこれ以上ないくらいに膨れ上がり、どくどくと脈打っている。
「クリスさん……俺、もう……」
 言いながら、ヒューゴは片手で自分の一物を支え、もう片方の手でクリスの泉の中
心を探り当て、それをあてがった。
 クリスは緊張に身を硬くする。
「クリスさん……行くよ……」
 ヒューゴは言って、一気に突き進んだ。
「あぅっ」
 クリスが小さく呻いた。
 ヒューゴにも、何かを突き破ったような感覚があった。
 だがそれよりも、きつく締め付けられる感覚の何と気持ちいい事か。
「クリスさん……クリスさん……」
 名前を呼びながら口付けをした瞬間、限界まで我慢して張り詰めていたヒューゴは、
達してしまった。
 全身が痙攣して、精を吐き出す。
 クリスも、自分の中に温かい何かが放射されたのが分かった。
 驚いてヒューゴを見ると、泣きそうな顔をしている。
 それはそうだろう、悩んだ末にやっと想いを遂げられたと思ったら、一つになった
瞬間に達してしまったのだから。
「あの……あの」
 クリスは微笑んで、ヒューゴを抱き締めた。
「しばらく……このままでいないか」
 痛い事は痛いが、今は小さくなってしまっているのでそうでもない。
「クリスさん……」
 ヒューゴはクリスに口付けると、再び胸をまさぐり始める。

 復活は早かった。
 みるみる内にクリスの胎内でヒューゴは大きさと硬さを取り戻して行った。
「えっ?!」
 驚いてヒューゴの顔を見ると、顔を赤くしながら囁いた。
「クリスさん……気持ちいい……」
 かぁぁ、とクリスの頬も染まる。
 ヒューゴが動き始めた。
「ふ……あ」
 まだ少し痛いが、自分の愛液とヒューゴの精液のお陰で滑りが良くなり、我慢出来
ない程ではない。
「ヒューゴ……」
 名前を呟くと、ヒューゴは腰を動かしながら囁く。
「クリスさん……好き……好き」
「私も……あぁっ!」
 突如、快感が痛みを超えた。
 ヒューゴに突かれる度に、快感が体の中に送り込まれて来る。
 先程達したばかりで敏感になっている彼女の体は、再びの絶頂へと向かい始めた。
「あ、あぁ、ああぁん、あぁ……ヒュ……ヒューゴ……も、もう、私」
 二人の結合部から聞こえて来るぐちゅぐちゅという音が、淫らな気分を増幅させる。
「クリスさん……俺も、もう」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁんん!!」
「……っ!!」
 クリスの嬌声と共に、二人は果てた。
 ぐったりとなった二人だったが……互いに顔を見合わせて、微笑んで。
 そうして、そっと、口付けを交わした。

                 終

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