オウラン×2主 著者:11様

 「はぁぁ……。」

落ち着かない。
部屋の中を歩き回ったり、ベッドに寝てはまた起きたりと、
意味のない動作をかれこれ1時間ほど繰り返している。
時計は午前0時をまわっていた。
 「僕にリーダーなんて務まるのだろうか……。」
シュウさんは『あなたこそ適任です』なんて言ってくれたけど、はっきり言って自信がない。
僕より強い人なんて他にいっぱいいるし、まとめる役ならフリックさんの方が上手い。
今までだって、ただがむしゃらに戦ってきただけだ。
リーダーともなれば、判断1つで戦況が左右する局面が出てくるだろう。
戦争の経験もまだ少ない僕にできるのか……?
考えれば考えるほど、自分の未熟さが浮き彫りになってくる。
 「はぁ。」
答えの出ない自問自答に息苦しくなり、僕は両手を頭の後ろで組んでベッドに寝転んだ。
 「ビクトールさんに相談しに行こうかな……。」
ふと頭に浮かんだ行動に解決の光が見えたような気がした僕はすぐさま起き上がる。

 コンコン。
ドアのノブを握った僕の目の前でノックが鳴る。

すぐさまドアを開くと、

 「おっと……。」

僕より大きな丈の女性が、いきなり開いたドアにちょっとビックリしたような表情で立っていた。
少しだけ乱れた、短い栗色の頭髪。
だらしなさを感じさせないのは、彼女の身体から発せられる『頼れる雰囲気』のせいなのだろうか。
幾多の戦場を潜り抜けてきたであろう、鍛え上げられた肉体。
だがそれは女性らしさを失うことなく、
むしろ女体のシンボルである大きく張り出た胸、発達した腰周りをより際立たせている。
女性を感じさせ、なおかつ機能的な衣服を身に纏った彼女が口を開いた。
 「なんだ……。出かけるところだったのかい?」
 「オウランさん……。」
 「それじゃあ、出直そうかね。」
オウランさんはくるりと僕に背を見せ、その場から去ろうとする。
 「い、いえ!急ぎの用事でもないですから……。
  それより、僕に何か御用ですか?」
 「いや、ちょっとあんたと話でもしようかと思ってね。」
 「えーっと……じゃあ中へどうぞ。」
僕はドアを大きく開けて、オウランさんを中へ招き入れようとする。
 「そうかい?じゃあお邪魔しようかな。」
長いスカートからスラリと伸びた脚が僕の部屋の中に踏み入る。
オウランさんが完全に部屋に入った後に、静かにドアを閉めた。

 「そこの椅子に座ってください。僕はこっちに座りますから。」
彼女にこの部屋に1つしかない椅子を進め、自分はベッドに腰掛ける。
ふと手持ち無沙汰になった僕は、お茶でも入れようかと立ち上がった。
 「ああ、別にいいよ。そんなに長居するつもりはないから。」
オウランさんが僕の行動に気づき、声をかけてきた。
いきなり咎められたので少し慌ててしまう。
 「そ、それじゃあ…………。」
何かすることがないかと周りを見回す。
椅子にどっかと腰を下ろしたオウランさんはそんな僕を見てかすかに微笑み、
 「いいからあんたも座りなって。あたふたして、みっともないよ。」
 「は…はい……。」
僕はベッドに腰を下ろし、オウランさんを見る。
 「……僕に話って?」
脚を組んで、椅子の肘立てに腕を置いて指先で自分の顎先をいじりながら、
 「あんた、何を悩んでいるんだい?」
とオウランさんが聞いてきた。
 「えっ?」
 「さっき大広間から引き上げていく時、思い悩んだ顔してたからさ……。」
 「……。」
 「あんな顔してりゃ誰だって気づくって。大方、リーダーは荷が重い……とかだろ?」
内心をズバリと当てられ、僕はビクリと身体をすくませた。
顔に出てたかな……。この際だから、自分の思いを彼女に言ってみようか。
力になってくれるかも知れない。
 「…………僕、自信がないんです。皆の命を預かれるほど頭良くないし、
  周りを気遣えるほど強くない。自分のことで精一杯なんです!」
最後は大きな声になってしまった。でも、誰かに聞いて欲しかった気持ちを吐き出せて
少しだけ気が晴れた。これが僕の本心なんだ。リーダーなんてできないよ……。

 「……。」
オウランさんは微動だにせず、じぃっと僕の目を見つめる。
彼女が何を考えているのかは僕にはわからない。
 「……自信なんて後からついてくるさ。今は自信があるかどうかなんて関係ない。
  頭が良くない?何のためにこんな大勢の仲間がいると思ってるんだい。
  シュウやアップルはそのためにいるんじゃないのかい?」
確かにシュウさん達は前線に出て戦えるほど強くない。
でも、僕を信じて仲間になってくれた。
 「周りを気にするほど強くないって?じゃああんたは今まで無意識で周りを助けてたのかい。
  あんたには何度も助けられてきたよ。それにどんどん強くなってる。
  それに、もし危なくなったとしても…。」
 「……?」
 「守って見せるさ……あんたを。」
その言葉はオウランさんが自分自身に言い聞かせているように聞こえた。
 「で、でも……。」
 「自分で全部背負い込む事ないんだよ。自分に足りない部分は他の奴らが補ってくれる。
  あんたは今まで通り、自分の信じる道を進めばそれでいいんだよ。
  きっと皆ついて来てくれるさ……。」
そう言い終わると、オウランさんは立ち上がって僕のすぐ横に腰を下ろす。
そして力強く僕の肩を抱いてくれた。
 「そうかな……。」
僕は手を置かれた方の肩を意識しながら俯く。
オウランさんの気遣いが伝わってくるような気がした。
 「そうさ。もっと自分を信じてやりな。」
少しだけ、肩に置かれた手に力がこもる。
 「………やっぱり、僕はそんなに立派な人間じゃありませんよ。」
オウランさんには申し訳ないけど、やっぱり僕には荷が重過ぎる。
シュウさんやフリックさんの方が向いてるよ。
 「はぁっ。今のあんたには自信を持つことが必要みたいだね。
  周りは皆認めてるって言うのに………。」
オウランさんの手にぐっと力が入り、強引に彼女の方へ向かされる。
 「んむっ……!」
 「…………。」
いきなりの口づけ。僕の口内に、オウランさんの舌が侵入してくる。
その舌が僕の舌を捉え、激しく舐る様に吸い上げる。
さらに、僕の歯の型を一つ一つ舌で確かめるように動き回る。

 「はぁ……っ」
オウランさんの艶やかな声に、僕は身体が震えてしまう。
ようやく僕の口を解放してくれたオウランさん。
 「いっ…いきなり何ですか!?」
僕は顔を真っ赤にして早口に言い、その場から後ずさった。
オウランさんは口から糸を引く唾液を拭かずに僕に近づいてくる。
 「あんたが自信がないって言うから……。それなら自信を持たせてやろうと思ってさ。」
僕の胴着のベルトに手をやり脱がそうとする。
 「や、やめてください!!」
僕はオウランさんの手を振り払って、ベッドから立ち上がろうとした……
が、すごい力でオウランさんにベッドの上に押さえつけられた。
 「明日の朝には答えを出さなきゃいけないんだろう?
  恐がらなくてもいい。じっとしてな……。」
ベルトが取られ、前がはだけられた。
 「ふふ、いい身体してるじゃないか。もうちょっと背が伸びれば、
  フリックにも負けないよ。」
 「そ、そんな……!」
オウランさんは僕の腹筋に手を置いて、もう片方の手で股間を摩り始めた。
 「あっ!」
 「ほら、じっとして……。」
先程のキスですでに硬さを持ち始めた僕のペニスを、やさしい手つきで揉む。
自分で触れる感触とは全く違う、未知の快感に僕は背筋をピンと伸ばして耐える。
オウランさんの手で弄られ、どんどん硬くなっていくペニス。
もうズボンを突き破らんばかりにそそり立っている。
 「苦しいかい?もうこんなにして……。」
信じられないくらい大きくなった自分のモノを見られているかと思うと、
恥ずかしくて死にたくなってくる。
 「ほら、脱がしてやるから腰を浮かして。」
オウランさんはズボンの両端を掴むと、下着ごとずりおろそうとする。
僕の心の中で、これ以上辱めを受けたくない気持ちともっと快感を求めたい気持ちが葛藤する。
 「こんな事で恥ずかしがってちゃ先には進めないよ?」
艶やかな眼で僕の顔を覗きこんでくるオウランさん。
それはいたずらっ子を優しく諭す母のような眼だった。
 「そうか……。自分ばかり脱ぐのは恥ずかしいかい?」
ズボンの両端から手を離すと、オウランさんはすくっと立ちあがって、
徐に服を脱ぎ出した。
 「なっ……!」

しゅるっ………ぱさ。

 「ほら、これでいいかい?」
全裸になったオウランさんのカラダが僕の眼前に晒される。
引き締まった太腿、見事にくびれたウエスト。
その上方にある大きなバストは見る者を魅了して離さない。
 「私が脱いだんだから、あんたも脱ぎなよ。
  女にここまでさせといて自分は見てるだけなんて、カッコ悪いよ。」
 「…………。」
僕はしぶしぶ身に纏っていた衣類を脱ぐ。
こんなに意識して女性の前で全裸になることなんて初めてだ。
無意識の内に、指が小刻みに震え出していた。
どんな戦いの前でもこんなに震えることなんてなかったのに……。
僕はとても恥ずかしくなり、オウランさんの顔をまともに見れなくなった。
 (どうか気づかれませんように……!)
真下を向いて、ズボンをやっとの思いで脱ぎ終えた。
もう僕を隠すものは何もない。
どうしていいかわからない僕の前にオウランさんが立つ。
裸の女性が前に立っているというのに、顔を上げられない。
その時、僕の震える手をオウランさんの手が取った。
 「誰だって初めてはあるんだよ……。そんなに恐がらなくていい、
  私に任せておけば平気さ。」
 「は、はい……。」
その言葉にとても救われたような気がした。
幾分、心の重みも和らいだ感じだ。
 「さ、ベッドに寝て。リラックスしな……。」
僕の手を取ってベッドへ誘導するオウランさん。
彼女の言われる通りに仰向けに寝る。
 「へぇ、立派なものじゃないか。」
ビンと天井に真っ直ぐ伸びている僕のモノを見て、オウランさんが感嘆の声を漏らす。
僕はなんだかむず痒い感じがして、ただ顔を真っ赤にして動かないでいる。
 「そう、いい子だ……。そのままじっとしてなよ。」
僕のペニスをきゅっと優しく包み込み、上下に動かす。
自分でするのとは全く違う快感。嫌でも興奮してくる。

「うっ……オウランさん……っ!」
 「気持ちいいのかい?こんなにお汁を垂らして……。」
ペニスの先から透明の液が溢れ出す。それがオウランさんの手を濡らし、
潤滑油となって僕のモノを擦る速度が上がる。
 「ダメだっ!僕、もうっ………!!」
 「いいよ……このまま手の中で出しな……。受け止めてやるから。」
 「ああぁっ!!」

どっくん!!どっくん……どっくん……。

 「ふふふ、いっぱい出たね。まぁ最初だから仕方ないかな……。」
手の中の白濁液を指先で遊びながらクールな笑みを浮かべるオウランさんはとても卑猥だ。
そしてベッドの横のティッシュを取り、それを拭き取る。
全て綺麗に拭き取ってから、僕の上に跨がって来る。
下から見るとより大きく見えてしまう豊満なバストに、
僕のペニスは出したばかりだというのに再び硬さを取り戻してきた。
 「おや……?もうこんなにして……。さっき出したばかりなのに、若いねぇ……。」
 「……ご、ごめんなさい。」
僕は思わず謝ってしまった。自分の節操の無さに恥ずかしくなってしまったからかも知れない。
オウランさんはがばっと僕に覆い被さって、僕の耳元で囁く。
 「もしかして……私のカラダを見てこんなにしてくれたのかい?」
 「………っ。」
僕は真っ赤になってその言葉を肯定してしまう。
そんな僕の様子を見たオウランさんは口元に笑みを浮かべて、
 「ふふふ、嬉しいねぇ。まだまだ私も捨てたもんじゃないな。」
と、僕の胸に自分のたわわに実った乳房を押し付けてきた。
息苦しくなるくらいにすごい肉圧が僕の胸にかかる。
 「うっ……。」

 「ほら…触ってみな。女性の胸なんて触れたことないんだろう?」
そう言って、僕の手をその乳房に当てる。指をいっぱいに広げても、覆えないほどの乳房。
指がめりこむぐらいに握ってみる。すると、その指を押し返そうと弾力が返って来る。
それなのに、いざ離そうとすると吸いついて離れようとしない……。
僕はもう夢中になってその乳房を揉みしだき続けた。
オウランさんは、そんな僕を優しい眼差しで見つめている。
中央のピンクの突起部分がコリコリと硬さを持ち始めた。
僕はオウランさんを見上げる。
オウランさんはうっとりした表情で僕を見下ろしていた。
 「いいんだよ……あんたの好きなようにして。」
僕は許しを得てから、恐る恐るそのピンクの乳首に吸いついた。

 ちゅっ…。

 「んっ………!」
ピクン、とカラダを硬直させるオウランさんが僕の目にはとても淫らに映った。
すごく興奮する……。
重力の反するかのように形を崩さない乳房をやわやわと揉み、乳首を啄ばむように口に含む。
ちゅ、ちゅっと音をさせて吸う度にビクッとカラダを奮わせるオウランさん。
 「……っ、上手いね、気持ちいいよ……!」
眼を瞑って、オウランさんは自分の胸を走る快感を楽しんでいる。
 「はぁ、はぁ、はぁ……!」
目の前にある、自己主張してやまない豊満な乳房に僕はたまらない興奮を覚え、
少しキツめに揉んでみる。
 「っはぁ……あぁぁっ」
これぐらいなら痛くないみたいだ。僕は餅を絞るような感じで2つの双丘を揉み上げた。
乳首を少し噛んでみる。
 「っ……!こら、もっと優しく……。そこは敏感なんだからさ………。」
 「あ…ご、ごめんなさい。」

乳頭をくまなく舐める。謝罪するかのように。もう2つの突起はビンビンに硬くしこっている。
 「もうそろそろ……いいかい?さっきから腹に当たってるんだが辛抱できないんじゃないか?」
オウランさんは上半身を起こし、僕の硬くなってしまったモノを見ながら言う。
実はさっきから2度目の放出を必死に耐え続けていたのだ。
あれだけの魅力的なバストを目の前にすれば無理のないことだと思う。
 「は、はい……お願いします。」
僕は性行為に関して、あまり詳細に判らなかったためオウランさんに任せることにした。
大の字になって、じっとその時を待っている。
 「じゃあ、行くからね……んっ……。」
ぬるり、と僕のペニスを温かい柔肉が包み込んだ。深く深く覆いこむ。
 「うはっ……!」
言葉にできないくらいの快感が僕を襲い、思わず声をあげてしまった。
 「うン……っ、ほら、全部入ったよ。どうだい……?」
オウランさんは僕の腹筋の上に両手を置き、少し赤い顔をして僕に聞いてくる。
きゅ、きゅっとオウランさんの膣内が僕のモノを締めつけてくる。
 「す、すごいです……っ!うああぁ………。」
かなり切羽詰った感じで答える。僕のモノはもう精を吐き出したくて震え出していた。
 「我慢しなくていいからね……。出そうになったら言うんだよ。」
オウランさんの腰が控えめに動き始める。
彼女の乳房がゆっくり、踊るように揺れる。無意識にその魅力的な乳房に両手を伸ばしていた。
 「んんっ……!」
オウランさんのくぐもった声が聞こえる。
 「あぁ、あぁ、そう、そう……っ、もっと揉んでみな、もっと………っ!」
やがて彼女も快楽を得ようと思ったのか、腰を激しく動かし始めた。左右に、前後に、回すように。
その激しい動きに僕が耐えられるはずもなく、射精感が急激にこみ上げてくる。
 「オ、オウランさん……っ!!僕、もうダメです、出ちゃう……っっ!!」
 「ああ、いいよ、そのまま出しても、大丈夫だから、そのまま………っ!」
腰を動かしながら答えるオウランさん。
僕は彼女の尻肉を掴んで、たっぷりとした肉感を味わいながら射精する。
 「で……出ちゃうっ!」

ぶびゅ、びゅっ、びゅっ………びゅっ。

オウランさんの膣内に精液を余すことなく注ぎ込む。
とんでもなく気持ちのいい射精感に気が遠くなりそうだ。
ただ黙って僕の精子を受け止めている彼女は、眼を瞑って快楽の余韻を楽しんでいるように見える。
やがて僕の射精も終わろうという時にオウランさんが言ってきた。
 「ふふっ……こんなに出して……。妊娠したらどうする?」
 「んなっ……!!」
僕はがばっと起き上がり、彼女を見上げた。
オウランさんは子供に悪戯するような眼で僕を見ている。そして、焦っている僕を見てふっと笑い、
 「冗談だよ。あんたはそんな心配しなくていい。迷惑はかけないよ……。」
 「………。」
冗談にとれないオウランさんの言葉に僕が絶句していると、ふいにオウランさんが声をかけてきた。
 「………自信ついたかい?」
 「えっ?」
 「あんたはさ……私が抱かれてもいいって思えるくらい、信頼できて頼れる男さ。
  これで自信がないなんて言われたら、私の立場がないってもんだよ……。」
 「………。」
『男』という言葉を聞いて、僕の中で何かが弾ける。
こんなスゴイ女性に認められているのだから、もう何も悩むことはない。
 「……ありがとう、オウランさん。」
決意をこめた眼で彼女を見て、お礼を言う。
そんな僕を見てクールな笑みを浮かべたオウランさんは嬉しそうに言う。
 「ふふふ、いい顔してるよあんた……。明日もしっかり、ね。」
そして彼女は椅子にかけてあった衣服を身に纏って、部屋から出て行った。

―――次の日。

僕は大広間に集まった皆を壇上から見下ろす。
その中に、腕を組んで柱に寄りかかりこちらを見ているオウランさんがいた。
口元に笑みを浮かべて、ただじっとそこで佇んでいる。

 『守って見せるさ……あんたを。』
昨夜の彼女の言葉が脳裏に甦る。
大丈夫。何も心配することなんて無い。
こんなに心強い仲間達がついているのだから。
そして僕は、自分の意思を皆に伝えるために軽く息を吸い込んだ。

                 完

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