トウタ×ミオ 著者:腐れSS書き様

ビュッデヒュッケ城に滞在するようになってから2ヶ月が経った。
毎日のように患者は舞い込み、医務室はてんてこ舞いだ。
早朝から体操をしては腰を痛めたという患者や、深夜に調査しようとして階段から落ちた患者など。
様々な人の手当てをするのが、私の仕事。

「トウタ先生。」

ふと、ミオさんが声を掛けてきた。
「お疲れなんじゃないですか?顔色が良くないですよ?」
「そんなことありませんよ。大丈夫ですよ。」
「そうですか…?」

本当は、酷く身体がだるいのだが…この城には私しか医者は居なくて。
休むことは出来ない。

未だ心配そうにしているミオさんに僕は笑顔を向ける。
「自分の体調くらいわかっていますよ…だいじょ………。」

…ぐらっ。

言葉の途中で、僕の視界が歪んだ。
そのあとは、暗闇。
最後に聞こえたのは、ミオさんが私を呼ぶ声と、ガターンと何かが倒れる音だった。

ひんやりと冷たいものが額に乗っている…。
その感覚に私は現実に引き戻された。
ぼんやりと見える天井と…覗き込むミオさんの顔…。
「――――――!?」
「あ、トウタ先生、気がつきました?」
物凄い至近距離でミオさんが話し掛けてくる。
「みみみみみみみみみみみみみみみみみみみみ、ミオさん!?」
慌てて横を向こうとするが、ミオさんが無理矢理顔を正面に向けさせる。
「もう!動かないでください、トウタ先生。お熱測ってるんですから。」
「…え…。」

「少し熱が高いですね。お薬飲んでお休みになられたほうが良いですよ。」
「はぁ…でも。」
言葉を続けようとした瞬間、ミオさんが私の額をぺちっと叩く。
「トウタ先生は無理しすぎです。この2ヶ月間、ずーっと働きっぱなしだったんですからね!」
「しかし、私が休んだら…。」
「何のために私が居ると思っているのですか?今日と明日くらいは、私1人でやりますからね。」
意気込むミオさんを見て、頼もしいとは思うのだが…。

心配でもある……。
なぜなら。
ミオさん目当てにちょっとした怪我で来る患者も居るからだ。
不埒な輩が居ないとも限らない…。
心配すぎる。

翌朝。
薬が効いて、随分楽になったとはいえ、私の身体はまだ自由に動いてくれない。
随分と疲れていたことがわかる。

それにしても。
隣の医務室は随分にぎやかなようだ。
不安は的中していた。
重たい身体を起こして、医務室に繋がるドアからそっと様子を覗き込む。

群がる男性。
その中心に居るミオさん。

(あぁぁっ…そんなデレデレした顔で近づかないでください、ワンさん…!!!)
(ビッチャムさんまで…!!鼻の下伸びてます…!!!)
(犬を医務室に上げないで下さい…!!!)

様々な思いが私の頭の中を巡る。

…何故、そんなことを思うのか。
私の中で、答えは出ていた。

好きだから、他の男の人にそういう目で見て欲しくないのだ。
ミオさんが好きだから…。

夜になり、医務室も静けさを取り戻す。
ミオさんも私の眠っている部屋へと戻ってきた。

「トウタ先生。お加減はいかがですか?…あら。」
「もうすっかり元気ですよ、ミオさん。」

私は本を閉じ、ベッドから出ようとする。
「駄目ですよ、トウタ先生。まだ横になっていなきゃ…。」
そう言ってミオさんは私をベッドに押し戻す。
勢い余って、ミオさんまで一緒にベッドに倒れこんでしまった。

「―――――――!!!」
「きゃっ。」

思わず硬直してしまう。
「トウタ先生、ごめんなさい…大丈夫ですか?」
上から退こうと身体を動かすミオさん。
甘い香りが私の鼻をくすぐる。
「今退きますから…。」
むにゅっ。
柔らかい胸の感触が伝わってくる。
「――――――――――――――――――――――――!!!!!!」

私の身体は、思わず反応してしまっていた…。

「どうしましたか、トウタせんせ…?」
月明かりがミオさんを照らす。
「なななななな、何でもありません!!!!!!」
必死に隠すしか出来ない私。
あまりの情けなさに、既に涙目になっていた。

医学の知識としては知っているけど………。
一人でこういうことをしたこともあるけれど!

「すみません…ミオさん、少し…離れて頂けますか?」
「あ、重たいですか?すみません…。」
「いや、そういうわけじゃないんです…!!!す、すみません…!!」

慌ててミオさんが私の上から身体を退ける。
その瞬間。
手が、私の其処に…触れてしまった。
ビクン、と電撃が身体中に走ったような感覚が僕を襲う。
「うあっ!」
「えっ…?あ、あの、トウタ先生…これって…。」

唖然とするミオさん。
もう、此処まできたら後に引き下がれない…。

ミオさんを引き寄せ、力いっぱい抱きしめる。
「ととと、トウタ先生?」
「御免なさい、ミオさん…私は、ミオさんのことが好きなんです…触れるだけで、こうなってしまうくらい。」
耳元で小さく私は呟く。
「嫌われても構いません…私は、貴方のことが…好きなんです。」
蚊の鳴くような声で、私はミオさんに伝えた。
ミオさんが亡くなった旦那様を想っていることも知っている。
けれど。

私は、彼女が好きで仕方ない。
ただそれだけなのだ。

「…トウタ先生…。」
ミオさんが私の首に腕を回してくる。
「え?」
「やっと…やっと言ってくれましたね。」
「み、ミオさん?」
慌てる私にミオさんは腕を解き、正面を向いて微笑を零す。
「気付いていないと思ったんですか?こんなにも一緒に居たのに。それに…私がずっと一緒に居たのは…。」

そっと寄せられた唇は、甘い味がした。

「あなたが好きだからです、トウタ先生。」

「だ、だってミオさんは旦那様が…。」
「過去は過去なんです。今の私は…トウタ先生が好きなんです…。」
優しく、頬を撫でる指。

「ミオさん…。」
ぎゅう、っと強く身体を抱きしめ、ベッドに再び倒れこんだ。

着衣を一枚ずつ剥ぎ取ってゆく。
そのたびに露になる白い肌に私の目は釘付けだった。
「トウタ先生も…脱いでくださいね…。」
ミオさんが手を伸ばし、私の服を脱がしてゆく。
その仕草に、私はされるがままだった。
何も纏うものをなくし、お互い全てを曝け出す姿になった。
長いキスを交わして、伸ばされた舌を吸い上げられる。
「う…。」
思わず漏れた声にミオさんが微笑む。
「トウタ先生、可愛い…。」
「み、ミオさん…恥ずかしいですよ…。」
「それは私も一緒ですから。ね?」
段々とキスは下へと下がってゆき、ミオさんの指が其処に触れる。
「うあっ…!!」
柔らかく包まれる感触に私は思わず悲鳴を上げた。

「こんなに固くなっちゃって…。」
いい子いい子、とするようにミオさんが頂点を撫でる。
段々と息の上がってゆく私を見て、嬉しそうに速度を上げてゆく。
やがて両手で包み込むようにし、棒をしごかれる…。
「だ、駄目ですよ…ミオさんっ!!!」
「どうして?気持ちいいでしょう?」
「い、いいですけど……………あぁっ…。」
桜色の唇が私の其れをゆっくりと包み込んでいった。
ねっとりとした感触が伝わってくる。
ちゅぶちゅぶ、といやらしい音が耳に響いていた。
「トウタ先生の…美味しいですよ…。」
舌を絡ませられ、しゃぶりあげられ……私はおかしくなりそうだった。
「ミオさん…もう駄目ですよぅ…。」
悲願に近い声で私はミオさんに訴えた。
「いいですよ…いっぱい出してください。トウタ先生…。」
咥えられ、さらに胸で挟まれ…私の限界がきてしまった。
「うあぁぁぁっ!!」

勢いよく飛んだ白い液体はミオさんの顔と胸を汚していった。
その姿が酷く淫らで、印象的だった。

「いっぱい出ちゃいましたね、トウタ先生。」
指で白い液体を掬い上げ、口に運ぶミオさん。
「まだ元気みたいですね…じゃあ、今度は中にいっぱい出してもらえますか…?」

すでにミオさんの秘部は愛液で濡れていて、ひくついていた。
初めて見るモノへの感動と、愛する人が全てを曝け出してくれるという快感。
そして、これ以上の快感を今から体感するのかと思うと身体が震えた。
「トウタ先生…指を入れてみてください…。」
「あ、はい…。」

ちゅぷっ。

「あっ…。」
指を中の襞が締め付けてくる。
「此処に…私のを入れるんですね…。」
掻き回し指を内壁に擦りつける。
そのたびにミオさんの身体がビクビクと反応していた。
「そうです…早く、トウタ先生のを…下さい…っ。」
「いいですか…?」

ぐ、っと腰を押し付けると、ミオさんの身体が反応する。

「はやく…っ…トウタ先生っ…。」
懇願され、私は思い切り腰を押し進めた。
「あぁぁぁぁっ…!!!」
首に手を回され、思い切りミオさんがしがみついてくる。
「み、ミオさん…すごいっ……!!!!」
中の暖かさと、力を入れているせいで余計に締めつけてくる快感。
今にも爆発してしまいそうな其処に、力を込めて押さえ込む。

「凄いですよ…トウタ先生っ…。おかしくなっちゃいそう…。」
「私もです…ミオさん。」

好きな人と一つであるという喜びと。
これ以上ない快感。

自然に腰を打ちつけ始め、更なる快感を追い求める。
「あっ…あああっ、トウタせんせっ……そんなに激しくしたら…イッちゃう…!!!」
「み、ミオさんっ…!!!!」

一瞬、心臓の音が、外に聞こえたような気がした。

「あ…。」
放心状態になる私と、身体を痙攣させているミオさん。
暫く、お互いを見つめる事しか出来ないでいた。

「…好きです、ミオさん。」
「私も、大好きです。トウタ先生。」

笑い合いながら、小さなキスを交わした。

翌日から、私は仕事に戻り医務に励んでいる。
勿論、隣にはミオさんの姿。

幸せな日々を送っている。

「トーマス様。医務室の噂聞きましたかっ!?」
「な、何、セシル。いきなり。」
「最近城内で噂になってるんですよ!夜になると医務室あたりで呻き声が聞こえるって!」
「そ、そうなの?」
「ビュッデヒュッケ城守備隊長としては聞き逃せません!今日の夜あたり探検です!」
「え、もしかして僕もついてこいってこと…?」
「駄目ですか?」
「駄目じゃないけどさぁ…はぁ。」

…幸せな日々…だと思う。

                             ―完―

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